ぐーたら主婦が自閉症児を育てるお話

3歳で自閉症と診断された息子との生活が辛くダークサイドに落ちたぐーたら主婦のブログです。難しい息子を育てて経験した事や日常のことを綴ります

自閉症児母の視点から見た「母親やめてもいいですか」「親子で発達障害でした 入園編」

突然ですが、私は漫画大好き主婦でかなり数の漫画を読んできました。

長男が自閉症と診断され、療育しないと!早期になんとかしないと長男は一般社会で過ごせなくなる!という強迫観念にとらわれていた時期があり、関連書籍や漫画を読み漁りました。

療育の情報を求めたり、同じ発達障害の子育てをする母親の漫画を読みたい。そんな感じで話題の本や漫画、ネット上に公開されている育児漫画など色々読んできました。

そんな中で良くも悪くも印象に残った漫画をご紹介します。

療育ママに疲れて逃げてしまった漫画「母親やめてもいいですか」

内容的にお勧めしてもいいのか悩む漫画ですが

 

 不妊治療の末に授かった女の子「たから」が発達障害だとわかり、母親の「かこ」は早期療育に奔走。

療育施設へ通い、ネットで発達障害について検索し、たからの事を知る努力をしました。良い主治医にも出会えたおかげでたからの癇癪は減っていきます。

前半は療育や接し方について色々書かれており、杉山登志郎先生とのインタビューも掲載されています。長男がたからちゃんと似ていた部分があったのでとっても参考になりました。
不妊治療の事も発達障害の事もネットでトコトン調べつくし実践するこのお母さん、元々真面目で完璧主義なんでしょうね。
しかし後半からメンタルがおかしくなっていき、「たからと心中しよう」と思い悩むように。
心中は諦めましたがその後は不倫、宗教に走り現実から逃げてしまうという急展開・・・。
このお母さんは一人で頑張って、頑張りすぎて壊れてしまいました。協力して寄り添ってくれる大人の存在が必要だったのに、内容を読む限りでは誰もいなかったし本人も助けを求めなかった事が原因じゃないかな。
この方は結局母親をやめてしまったので賛否両論の作品ですが、私は最後泣きました。
何の感情もなく母親に愛着が無いと思われていたたからちゃん、本当はお母さんが大好きでした。
幼少期は受動型でずっと1人の世界にいるようだったたからちゃんですが、成長して自分の気持ちを表現できるようになりました。
あのずっと1人遊びしていて無機質に描かれていたたからちゃんが、お母さんと離れて寂しくてボロボロと泣いていたのです。
障害だから「人の気持ちがわからない」と決めつけていたかこですが、障害があっても母親の愛情を必要とする一人の子供だったのです。
この本の救いはあんなに育てにくそうだったたからちゃんが普通に世間話が出来るようになり、学校へ行き中学受験をするまでに成長したこと!
そこに私自身も希望が見えました。
上辺だけじゃなく、とっても正直に発達障害児をもつ親の気持ちを語っている漫画です(普通の子供が欲しいとか、可愛いと思えないとか)そういう意味では珍しいし他には無いんじゃないかな?
ただ普通の家庭が欲しかった作者ですが、その普通というのは誰にでも手に入る物ではないのだなと思いました。
「99人の人が読まなければよかったと後悔しても1人のお母さんが何かを感じてくれる本」を目指して書いたそうです。

 なるほど!

発達障害児の育児は綺麗事じゃ語れない。

わからない人には絶対理解不能だし、わかる人は共感できる。そんな漫画でした。

母親の自分も発達障害当事者! 「生きづらいと思ったら親子で発達障害でした」

有名なので、 ご存知の方も多いのではないでしょうか? 療育、困ったときの接し方、障害に関する色んな手続きの方法などとってもわかりやすく説明されておりシリーズ全部読みたいなと思った一冊です。

「母親やめてもいいですか?」とは真逆で正統派の発達障害児の育児漫画です。 入園編は療育園に入園、その後の進路に悩む長男君のこと。

2年目は普通の幼稚園へ行かせるか悩みます。

いい幼稚園が見つかりましたが市の職員に「なんで普通の幼稚園に行かせようとするの?療育園にいればいいのに」というような事を言われて手続きがなかなか進まず年度末になっても来年度の居場所がはっきりしませんでした。

世間がまだまだ偏見の目で見ているし、「発達障害の子」を大丈夫!とすんなり受け入れて貰える場所は少ない現実を知りました。

実際我が家も幼稚園で失敗していますが、現在の保育園では手厚く見て貰えています。それはとても恵まれていることなんだなぁと改めて思いました。

作中に出てくる他のママの体験談で、受け入れますと言うだけで実際は放置。行事には参加させてもらえず強制的にお休み。

なのに園長は私は障害に理解があります!と言っている。という最低な園だったというお話がありましたが

これまさにうちの子が通っていた幼稚園の園長なんです!

いや、本当に事前リサーチって大事。こんな感じで色んなパターンの体験談(本人や他のママ)も載っており来年度の入園について悩んでいる方にとってもお勧めです。

市の対応も酷く作者のモンズ―スーさん本当に大変だったなぁという印象。

同意した部分
「支援を受ける前はどこに行っても気のせいだと相手にしてもらえず」
「いざ支援を受けると今度はそれ以外は対応できないと弾かれる」
施設的にも制度的にも人々の意識の中にも「健常者か障がい者」「白か黒のどちらかしかない」だから小学校以降はグレーのはざまの子が困っているんですよね。
漫画ですが説明が丁寧に書かれている部分が多く勉強になる1冊です。
我が家は来年度に向けて入学編を読んでみようと思います!
 

さいごに

発達障害児の母親を諦めてしまった漫画発達障害児の母親を頑張っている漫画

の二冊を紹介させて頂きましたが、どちらも私は大変共感できました。

また良い漫画に出会えたらブログに書きたいと思います!

お勧め自閉症の育児漫画「ムーちゃんと手をつないで」のレビューはこちら↓

www.necojirou.net